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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第80章 進展


「気分悪い? 頭痛い? 熱は?」

おっきな手が、額に触れる。
"気"の力を感じるかのように、残っていた頭痛も治まってしまうかのような温かさ。
お父さんの手も、こんな風に大きくて優しかったのかな……。

「大丈夫……すごく、楽になったよ。ありがとう」

薬を飲んでとっても眠くなってしまったけれど、目が覚めてみたらスッキリしている。
この調子だと、もう少し眠れば熱も完全に下がって元通りになれそう。

あんなに嬉しい夢を見れたのは、涼太が近くに居てくれたからかな。
きっとそうだ。
涼太と眠っている時に嫌な夢を見た事は殆どないもの。

私、何時間くらい寝てしまっていたんだろう。
部屋の暗さで、時計は確認出来そうにない。

「今……何時?」

「んー、もうすぐ2時っスね」

「に!?」

何時にお布団に入ったのかももう覚えていないけれど、もう2時!?
だって、今涼太は起きてた。
こんな時間なのに。大切な身体なのに。

「涼太、お風呂は」

「あ、さっきシャワー借りたっス。勝手にごめん」

「ごめんなさいはこっちの台詞だよ、こんな遅くまで……」

この小さい部屋に、お客様用の布団なんて勿論あるわけなくて。
もう私はゆっくり眠れた。

「涼太、私はもう大丈夫だから、ゆっくり寝て。今日は本当に本当にありがとう」

涼太の手を引くと、使い慣れたシャンプーの香りがほのかに香った。

「もう大丈夫だから……って、みわはどーするんスか?」

「私は勉強してるから心配いらないよ」

最近はあきの事もあって、あまり集中出来ない日が続いてた。

今日は久しぶりに集中出来るかもしれない、そう思ったんだけれど……。

「冗談でしょ、何言ってんスか」

「っきゃ……!?」

呆気なく涼太に捕まって、お布団の中へと引きずり込まれていった。


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