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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第26章 オンナノコ


パンケーキが運ばれてくるまでの間、バスケの話を少しして。

「で、みわちゃん、なんか頼みたい事があるんだよね? 私で出来ることなら」

「……あの……こんなお願い、恥ずかしいんだけど……洋服選びを一緒にして欲しくて……」

「えっ? もしかしてきーちゃんとデート用の?」

彼女の言う通りなんだけど、そうハッキリ言われると恥ずかしくて仕方ない。

「そう……。私、服とか持ってなくて。あんまり予算もないんだけどね」

桃井さんの表情がパッと明るくなった。

「大丈夫大丈夫! 安くても可愛いの沢山あるから! 任せて!」

「ありがとう、助かる……」

快く引き受けて貰えて、一安心した。
あんなにヤキモチを妬いていた桃井さんにお願いすることになるなんて……。

「きーちゃんとは、うまくいってるの?」

「うまく……うーん……どうなのかな……なんか色々あるけど……まだ、一応付き合っているよ」

本当に円満に交際が進んでいるかなんて、私の方が聞きたい。

「海常の学園祭? 海常祭かな? 今年は招待試合やらないんだってね、きーちゃん効果か」

流石の情報網。
そっか……確かに、招待試合だって重要な情報源だ。
そういう所、本当に勉強になる。

「そうなの。だから私達は普通にクラスの手伝い」

「もしかしたら大ちゃんと行くかも!」

「本当!? うちは模擬店とかやらないけど、連絡してくれれば会いに行くよ」

「ありがとう! やった! 行く事になったら連絡するね!」

……ふと気になった事を口にする。

「桃井さんは……どうしてインターハイの日、私に連絡先を教えてくれたの?」

ずっと気になってた事。
たまたま居合わせたにしても、なんの交流もない私に連絡先の交換をお願いするなんて。

でも、情報を得るためにはやはり、伝手として必要になるからだろうか。

「うーん……きーちゃんがあんなに大事にする子が気になってたってのが一番あるかな。なんかね、嬉しくて」

「……そっか……中学時代の黄瀬くんの事も、今度ゆっくり聞かせて欲しいな」

桃井さんの表情が少し強張った。
帝光時代の事は、黄瀬くんからもまったく聞く機会を持てないままだった。

なんとなく、聞いてはいけないような空気になってしまったので、それ以上は話す事なく、自然と話題が切り替わっていった。



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