• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第80章 進展


最後の別れ話をするのには、人目が有った方がいいからと、新宿駅近くの喫茶店にすることにしたらしい。
驚く事に、既に彼と会う約束を取り付けたんだそうで。

それも、明後日。
本当に早く決着を付けたいんだろう、なんというかあきらしいというか。

心配だから陰からこっそりとついて行くと言ったんだけれど、絶対にダメと断固拒否されてしまった。
そう言われても食い下がるわけにもいかなくて、でもあきは譲ってくれなくて……平行線だ。

遂には涼太にも宥められて、結局私は行かない事になった。
その代わりに、話が終わったら近くのお店で会う約束をして。

……大丈夫、なのかな……。
なんだか、すっきりしないというか……。

なんか、何かが足りない気がして……。
なんだろう。
このまま、別れてしまっていいんだろうか?

……だめだ、私もまだ冷静になりきれていないのかもしれない。

今日は色々な事があったから、ゆっくり休んでから改めて考えよう。
まだ1日あるんだから。

「長居して悪かった。俺はお暇する事にするよ。御馳走様」

「あ、カップそのままでいいです。ありがとうございました」

ありがとうございました、そう言ったのは、あきだった。

……もしかして、あきと何か約束していた?
いやいや、そんなわけないか……。

あきとマクセさんは、一言二言交わした後に、見送ってくるとリビングから出て行った。

「じゃ、オレも帰るかな」

「えっ」

涼太の発言に、咄嗟にそう返してしまい慌てて口を噤む。
忙しいのに練習を休んで、こうして駆けつけてくれたのに、これ以上どんなワガママを言おうというのか。

どんどん貪欲になる自分が怖い。
来月のお誕生日、会えるんだから少しは我慢しないと……。

「あの、なんでもないの、ごめんなさい。今日はありがとう。気を付けてね」

失態を取り繕おうと急ぎ立ち上がった私の腰を、大きな手が抱え込んだ。






/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp