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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第79章 邂逅


「はぁー……も、時々みわに殺されるんじゃないかって思うっスわ……面白すぎ」

涼太はころんと寝返りを打ってこちらに戻って来て、腕枕を再開させた。
その切れ長の瞳は潤んでいる。

「う、うう……オトナの事情が分からない子どもってことですね……」

「ああ、違うんスよ。オトナのセックスってのは別にSMとかじゃなくてさ」

「へ……」

違うの?
また顔に出ていたんだろう、涼太はほわっと微笑んで、私の前髪にそっと触れた。

「今まではさ……結構、勢いっつーか……オレの気持ちばっかが走ってたから。これからは、もっと相手のコト……みわのコト考えて、したいなって」

「……あの、前にも言ったかもしれないけど……涼太はいつも、考えすぎってくらい私のこと考えてくれているよ、ね?」

涼太が言ってる事、全くピンともこない。
彼が自分勝手に私を抱いた事なんてあっただろうか。

いつも、真綿に包むような触れ方で、優しくて……う、ちょっと今想像を膨らませるのはやめよう。
まだ熱を持ったままの身体が、下品に疼く。

「うーん、いや、うん、まあ、上手く言えないけどそうなんスよ」

涼太は珍しく言い淀んでしまった。
説明しづらい事でもあるのかな?

「ふたりのココロとカラダがすんごく気持ちよくなって、初めて本当の"気持ちイイセックス"が出来ると思わないスか?」

「うん……思うよ」

望んでもいない性交……悲しいけれど、沢山の経験をした事があるから、これは自信を持って言える。

こころの繫がりがあってこその身体の繫がりだって。

だから、このひととの行為はこんなに幸せになれるんだって。

「あー、最高の誕生日っス。ありがと、みわ」

「そんな……大したお祝いしてあげられなくて」

ごめんなさい、と言おうとした口は、そっと添えられた人差し指で遮られ、続く甘いキスに呑み込まれていった。






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