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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第25章 勉強だったり合宿だったり新学期だったり


2人とも、特別な場所である体育館で、最後までするつもりはなかった。

彼に直接確認したわけではないけれど、考えていることは同じだと思う。

ただひたすら今は、お互いがお互いを必要としているという実感が欲しかった。

飢えた身体をお互い受け止めて、満たして欲しかった。

「く……っ」

普段の明るい声からは想像できないような、余裕なく甘く喘ぐ声が彼から漏れる。

彼のモノは既に先端が濡れており、手が触れると腰を捩らせ、更に喘いだ。

いつも彼がそうしていたように、私も間近で感じている彼の顔を見る。

眉根を寄せて快感に耐えるその顔は変わらず美しく、伏せた目を覆う長い睫毛にすら、興奮を覚えた。

「気持ち、いい……?」

普段彼はこういう時に、どうやって自分に甘く囁いたか。

思考を巡らせても頭の芯が痺れており、解答を導き出すことは困難だった。

「んっ……みわっち、きもちいー……」

身体を震わせ、私の手の感覚を味わっている姿が堪らなく愛しい。

まだ皆がいる学校内でこんなことをしているなんて。
そんな背徳感に益々煽られる。

慣れない手つきで懸命に彼のモノを扱くと、手の中で一段と大きく膨張するのを感じた。

「ごめ、イク……」

そう小さく呟くと、精液が吐き出された。
ねっとりとした熱い液体が、手に絡まる。

身体を小刻みに震わせ、恍惚の表情を浮かべながら小さく喘ぐ姿があまりに綺麗で、自分が今何をしていたのかすらどうでも良くなってしまう。

「っ、は、ごめん……っ」

射精が収まると黄瀬くんはさっと鞄に手を入れ、タオルを取り出した。
丁寧に私についた欲の塊を拭う。

「……どうして謝るの」

ふと恥ずかしさがこみ上げてきて頭を黄瀬くんの胸に預ける。

謝らないで。少しでも後悔しないで欲しい。
欲に任せて動いたのは私も一緒だから。
快楽に抗えない。なんて浅ましい。

黄瀬くんは、拭き終わったタオルを足元に落とし、代わりに私の身体に優しく手を回し、抱きしめてくれた。

「……みわっち……ごめん……好き」

優しく響くその音が嬉しくて、私も、と返すのも忘れ、ただ強く抱きしめ返した。



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