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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第79章 邂逅


「あ……っ」

熱い熱い涼太の唇を感じながら、背中には冷蔵庫ドアのひんやりとした感触。

ワンルームのこの部屋は、どこもかしこも涼太の気配と香りだらけ。

「涼太……もあきも……なんで、そんなに……優しいの……?」

キスの合間にこめかみに触れていた唇が離れて、切れ長の瞳が覗き込んでくる。

「それはねみわ……みわの気持ちが、はね返って来てるんスよ」

諭すような、でも柔らかい声音。

「はね、かえって?」

「そ。気持ちってね、鏡みたいになってんじゃないかって、思うんスわ。
嫌な気持ちを持って接したら、嫌な気持ちでかえってくる。好きって気持ちで接したら、好きって気持ちでかえってくる。
優しい気持ちで接したら、優しい気持ちがかえってくるんスよ。モチロン例外はあると思うけど」

「そう……かも……。だから涼太の周りには、優しいひとが集まるんだね」

凄く納得して、そう言ったら……ほっぺたをびよんとつねられた。

「だーかーら! それがみわだって言ってんの! 相変わらず自分だけ除外すんの、やめないっスか!」

「わたひ?」

そのまま喋ったら、"し"が上手く言えなかった。

「みわ、オレとあきサンのためを思うなら、我慢しないで。ね」

「う……」

甘えて、いいんだろうか。
身を委ねてしまって、いいの……?

「あっ」

器用に服の中に入り込んで来た手は背中に回り、あっという間にブラのホックが外された。

「オレのコト好きなヒトー?」

「は、はいっ」

「オレのお誕生日のお祝い、したいヒトー?」

「はいっ」

「はい、よろしい」

反射的にこころのまま答えた途端、身体が浮いた。

あまりに突然すぎて言葉も紡げないでいるうちに、次に背中で感じたのは冷蔵庫でなく、シーツの柔らかさだった。

「みわ、抱きたい」







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