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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第79章 邂逅


「みわが、今日の為にスゲー準備頑張ってくれたんだろうってコトも分かるし、あきサンのコト大切に思ってんのも知ってる。どっちも大事にしてくれてんのも分かってる」

今日、特別な日なのに……。
涼太にもあきにもこんな風に気を遣わせて。

私、何やってるんだろう。
いつもいつも、何やってるんだろう。
そんな顔をさせたいんじゃ、ないのに。

「でもさ」

ゆっくりと、琥珀色の瞳が近付いてくる。
近くなればなるほど、ぼやけてきて……

「今は、オレに夢中になって」

「っ……」

返答は、彼に飲み込まれていった。
一度深くまで重なった唇は、焦らすように離されて、また啄むように包まれてを繰り返す。

「ん……う」

どうしようもないくらい、疼く。
だってもう私は、既に彼に夢中だから。

思い切り貫かれて、深くまで愛し合いたい。
何もかもを忘れて、ただただ彼に溺れたい。
その醜い欲望が、振り払えないんだもの。

「ごめん……オレのワガママ聞いて」

「ちが……う、涼太の我儘、じゃないよ……」

そう、違う。
これは、彼の優しさ。

こう言えば私の罪悪感が薄れるだろうって、そう思っての発言だって、分かる。

「ううん、ワガママ。ヤローなんてさ、ヤレるならなんだって都合いいコト言うんスよ?」

男性は、そういう生き物なのかもしれない。
涼太だって、そういう気分になる事もあるかもしれない。

でも今この時の彼は、そうじゃない……それがよく分かる。

「ごめんなさい……私また、余計な事考えてた……。涼太もあきも、大好きなの。悲しい気持ちに……嫌な気持ちにさせたいんじゃないの……ごめんなさい……」

謝る事すら、うまく出来なくて。
ぐちゃぐちゃだ、もう。
いつまでも前に進めないこんな私でも、嫌にならない?

「分かってるっスよ……オレ達もみわのコトが大好きだからさ」

どうして皆、優しいの?

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