• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第79章 邂逅


「みわ」

「う……っん」

身体をまさぐられて、勝手に鼻から抜けたような声が出てしまう。
改めてシャツの裾から侵入して来た手は、いつもよりもしっとりとした感触で。

ああ……いつも、触れ合うと再認識する。
自分の中の彼の存在の大きさを。

涼太の事を好きだという気持ちを中心に、色んな感情が渦巻いて、ぐるぐる回ってる。

自分の事ばかり考えた結論にはしたくないのに、答えを出すのを邪魔している一番大きな原因は自分の欲望だ。

「ちょっとイチャイチャ、したいんスけど」

「んっ……ん」

ゆっくりと下着の上から胸を圧迫されてるだけなのに……布地と擦れあった頂から、じんわりと快感が生み出される。

「待っ、て……涼太、ちょっとだけ……」

服の中に入り込んだ手を、戸惑った気持ちのまま押さえる。

「……みわ……あきサンのコト、気にしてるんスよね?」

「っ、え……?」

今の気持ちをなんて伝えたらいいのか考えあぐねていたら、彼の口から出たのはまさかの言葉で。

「自分だけが涼太とラブラブするなんて〜ってトコ?」

まさか、そんな気持ちまでお見通しだったんだろうか。
涼太の手が緩んだのをきっかけに、慌てて彼に向き直る。

「あのっ、ごめんなさい、私」

「あきサンがさ、連絡して来たんスよ。"みわがあたしの事気にしてるかも"って」

二の句が継げないでいる私の頬を、大きな手が包んだ。

「それがみわの優しさだって知ってるけど……あきサンは、自分のせいでオレ達がいつも通りに出来ないんなら、悲しいって言ってたっスよ。みわの立場ならそうなんじゃないスか?」

私の、立場なら……
私に何かあって、それであきが気を遣って恋人との時間を楽しめなかったら?

そんなの、嫌だ。
折角の時間、大切に過ごして欲しい。
楽しく過ごして欲しい。




/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp