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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第79章 邂逅


はあ、と重めの息がひとりでに吐き出された。
でもこれは、みわにウンザリしてるとかそういうんじゃない。

彼女の背景はちゃんと分かってる。
みわがこうなってしまったのは、みわのせいじゃない。

オレがこれから、みわが自分を大切に出来るようにしていく。
もうそれはずっと前から決めてるコト。

そんでちゃんとみわの気持ちが固まったら、みわのお母さんにふたりで会いに行く。

義務とかそーゆーんじゃなくて……自分の大切なヒトが自分のコトを大切に出来ないなんて……そんなの悲しすぎるから。

みわが周りのヒトに優しくするように、自分自身にも優しくなって欲しい。

「みわさ、オレはみわのコトがすげえ好き。それは分かってくれてる?」

「え」

一瞬で固まって、まばたきが多くなって、ほっぺたがピンクに染まって行く。

「……うん、分かって、る」

そう、これはちゃんと伝わってる。
みわの気持ちも、オレに伝わってくる。

「みわはさ、全部自分のせいにしすぎ。今日の天気まで自分のせいだと思ってんじゃないっスか」

「え……そんなことないよう」

このころころ笑うのがホント好き。
いやいや、そんなコトないとか言ってるけどそうとも言い切れない。

みわは、日常的に責められてきた。
お前のせいなんだって。
うまくいかないのはお前のせいだって。

母親の恋人に犯され続けていた事を母親に相談するなんて、どれだけ勇気が要っただろう。

それなのに、彼女の訴えは信じて貰えなかった。

そういう出来事があるたびに、自分の優先順位がどんどんと下がっていく。
それは、彼女の意思とは無関係に。

ノー天気に前に前に進んでいくオレとは正反対だ。

どうやったらみわが自信を持てるか、正直まだ全然分かんない。

でもさ、愛がなんとかしてくれるかもしれない、って思うのは都合が良すぎるっスかね?


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