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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第25章 勉強だったり合宿だったり新学期だったり


みわっちのその微笑みから、信用されてるんだな、と感じた。
時に、その大きな瞳は言葉よりも強いメッセージを届けてくれる。

言わないと分からない事だらけだけど、言わなくても伝わる感情には心臓のあたりがほっこりするような安心感が生まれる事を知った。

最近、チームメイトと練習していても感じる事がある。

信頼。

最初は練習も真面目に出る気なんてさらさらなかったし、テキトーに流しているだけだった。

今では、たった数ヶ月前の事がずっと昔の事に感じる。

最近は、ささやかな事がきっかけでこうして周りの環境に感謝する事が増えてきたようにも思える。

あの後悔を繰り返さないために。

「午後は、学祭準備だっけ」

朧げな記憶の中に漂っていた意識が、みわっちの声でふと現実に引き戻される。

「うん、そう言ってたっスね」

そう、学園祭……海常祭である。
今月の大きなイベントだ。

ゴールデンウイークが明けたあたりから、クラスでは出し物の準備が進められていた。

オレたち運動部組は、部での催しを優先して良いため、今まで積極的にクラスの準備に参加する事はなかったけど。

バスケ部では、毎年招待試合を行っていた。
けど、今年は急遽、中止したらしい。

原因は、オレ。

学祭はもちろん外部からもお客さんがいっぱい来るので、ファンの子で混乱しないよう、配慮されたらしい。

折角試合できるチャンスだったのに、という部員のブーイングもあり、週末には他校での練習試合が組まれた。

勿論その日に他校へ行って練習試合、という方法も取れたのだが、3年生は最後の学祭だという事で、クラスへの催しに積極的に参加するよう、先日言い渡されたばかりだった。

「……うちのクラスって何やるんス?」

「お化け屋敷だって」

「うわ……ベタすぎ……」

飲食店が出来るのは2、3年生のみなので、1年生はクラスを使っての展示になる。

あまり真面目に手伝う気はないけど、当日みわっちとアレコレ周れるのは楽しみっスね。

その時、2人の穏やかな時間をぶち壊す予鈴が鳴り響いた。


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