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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第79章 邂逅


「……で、1 on 1でいいんスか?」

オネーサ……チアキサンを連れて来たのは近所の公園。
公園、とは言ってもそれなりの広さがある。

四季を彩る、だかなんだったかの誘い文句がある庭園に、子どもたちがよく遊んでいるアスレチック。
休日にはあちこちにテントが広げられているようなだだっぴろい敷地の一角に、バスケゴールが置かれた広場があった。
感覚的には、この間黒子っち、青峰っちとバスケしたトコに似てるかな。

こんな時間、他に誰も居る訳ない……というワケでもなく、ちらほらと人影が見える。
花見シーズンなんかは、深夜まで騒がしかったな。

ストバスの試合をやっている時に観客席になるであろう大きな石段にも、男女の姿。
イチャイチャはどっか見えないトコでやって欲しいんスけど。

「んー、そうは言ったけど、1 on 1じゃ火を見るよりも明らかだしなぁ」

「へ」

あれだけ自信満々に申し出ておいて、今更、なんだって?

「男子に勝てるわけないもん。シュート対決にしよう」

そう言って彼女はスリーポイントラインから鮮やかにシュートを決めた。

ま、そりゃそうだ。技能云々ではなく、男子と女子では身体の構造も筋肉量も異なる。
勝負しようというのが土台無理な話だ。

「ね、スリーポイント対決。先に5本決めた方の勝ちね」

「シューターとスリー対決って……」

基本的にオレの周りのシューターは化け物揃いだ。
特に鮮明に思い出されるのは、緑の。

「ご不満なら他の方法でもいいけど」

「いや、いいっスよ。燃える」

みわにデータ取って貰って散々練習したスリー。
得意とは言えないけど負けるつもりもさらさらない。

「先攻後攻はジャンケンっスね」

ジャンケンでオレはパー、彼女はグー。

「あら、負けちゃった。どっちがいい?」

「んー、じゃお先にどーぞ」

「……余裕ね」

悔しそうにそう言った彼女の手を離れたボールは、するりとゴールネットをくぐった。



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