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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第79章 邂逅


「抵抗したけど、全く敵わなかった。男の力になんか太刀打ちできるわけないよね。孕ませてやるって言われて、背筋がゾッとした」

ぞぞ、と下半身から上ってくる不快感。
圧倒的な力の差を思い知らされながら凌辱された記憶が、また生々しく顔を出す。

だめ、思い出しちゃだめ……考えないように……。
あきに気付かれないように、深く深く息を吐いた。

「……大丈夫、だったの?」

「あーうん、危なくない日だったし、大丈夫だった。ヤられてる時、もう絶対に別れるって思ってたんだけどさぁ……終わった後、泣きながら謝られて。もうこんな事絶対にしない、ごめんって。で、その後いつもよりずっと優しくなってさ」

私だったら、どうするだろう。
そんな事になったら、どう思うんだろう。

「分かってんだよ、そんなのDV男の典型だって。なのに、結局別れる! って選択が出来なかった。なんで突然こんな事になっちゃったのかワケわかんなかったし、あたし自身も混乱してて」

そうだよね、大好きな彼が突然豹変して。
なかなか現実が受け入れられないと思う。
酷い事をされた後に優しくされて……また、今までの彼に戻ってくれるんじゃないかって、そう期待しちゃうと思う。

「ゆっくり冷静に、今までの事色々考えてみたんだけどさ、多分、あたしが新しい世界で彼の知らない交友関係を作って、彼の知らない知識を身につけていくのが不安だったんだろうなって」

こくり、華奢な喉が鳴った。

「今まではさ、あたしも高校生だったし未成年だったし、出来る事なんて限られてたじゃん。でもこれからは違う。それが突然不安になって、縛りつけておきたくなったのかなって」

私たちも、不安だった。
卒業して、それぞれの大学に行って、新しい環境で……。

きっと、彼も同じ気持ちだったんだろう。
涼太と私はお互いに不安を抱えてたけど、きっとあきたちは、彼氏さんだけが不安だったんじゃないのかな。

「分かってんだよ、彼のした事は許される事じゃないって。でもさ、そう簡単に離れられなくて」

そう。
彼の気持ちは分かる。
でも、どんな理由があるにしろ、彼がした事は絶対にやってはならない事。

絶対に許せない事だ。




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