第25章 勉強だったり合宿だったり新学期だったり
新学期。
今まで全くキョーミなかったオレだけど、みわっちと同じクラスで席替えとくれば平静ではいられない。
今まではオレの方が前の席だったから、授業中にみわっちを見ることが出来なかったんスよね。
これは死活問題。
何としてでもみわっちより後ろの席を取らねば……!
クジ引きだけど、きっとオレにはカミサマが微笑んでくれる!
そのために鬼教官みわっちのスパルタ勉強会にも耐えたんスから!
ざわざわと騒がしい教室内。
窓の外ではまだ蝉が頑張っている。
オレは席替えなんかには大してキョーミない素振りで窓の外を見たりしてる。
キョーミシンシンっスけどね、ホントは。
みわっちがクジを引く順番になった。
横目で結果を伺う。
密かに心臓が脈打ったが、気づかないふりをした。
「はい、神崎さんは……ここね」
学級委員は、みわっちのクジを見るなり、黒板上の座席表の窓際、一番後ろの席に"神崎"と書いた。
マジか……
マジかよ……
みわっち、なんで一番後ろを引くんスか!!?
おまけに角とか!
え、わざと!?
カミサマねえわざとなんスか!?
この間からイジメがひどくないスか!?
返してオレの甘酸っぱいスクールライフ!
「次〜、黄瀬くんだよ」
学級委員に呼ばれるまで悲しみに打ちひしがれていたけど、そんな顔は出さないようにする。
色々面倒臭いから。
うう、緑間っち、オレ人事を尽くしたっスよね?
おは朝占い見てくればよかったっス……。
せめて近くの席になりますように!
もう何を考えてるのかよく分からない内にクジを引いて学級委員に渡すと、座席表のみわっちの席の隣に"黄瀬"と書いた。
へ?
隣……?
「みわっち! 隣!」
モデルがどうしたという位の大声で、教室内からは笑い(主に男子)とざわめき(主に女子)が聞こえてきた。
目が合ったみわっちはちょっと恥ずかしそうに、にっこり微笑んだ。
カミサマ!
あざーーす!!
「はい、じゃあ各自席移動したらテスト始めるからねー」
あ、しまった。
席替えに労力使いすぎた……。