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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第4章 黒子くん


「黄瀬君、応援してくれますか?」

「……」

返す言葉がない。
胸のモヤモヤが身体中を支配していくかのようで。

「黄瀬君? 寝ちゃいましたか?」

「……起きてるっスよ」

「黄瀬君はやっぱり神崎さんのこと、気になっているんですね」

「……」

「彼女も、黄瀬君の事が気になってると思いますよ」

「……なんでそんなこと分かるんスか」

「見てれば分かりますよ」

「でも、神崎っちは男性恐怖症だって。男が怖いんだって」

「でも、君には慣れてきているのでしょう?」

「それは、なんでか分からないスけど……」

「だから、それは人間としてキミを信用し始めているってことなんじゃないですか」

オレを……信用……?

「そんなこと……今まで誰にも言われたことないっスわ」

「デカい男が照れてると、気色悪いですね」

「ちょ、さっきからひどくないっスか!?」

そんな話をしていたら、神崎っちが戻ってきた。





「ふふっ、本当に2人、仲がいいんだね」

中学時代からの付き合いだという2人。
なんか親密そうに話しているのが微笑ましくて。

「ボクはもう帰ろうと思います」

「あ、じゃあ私も……」

「神崎っち!」

そう言って立ち上がろうとした瞬間、焦ったように黄瀬くんに呼ばれた。

「どうしたの?」

彼は下を向いて言い淀んでいる。
珍しい。

「あ、あの……あのさ…………ねっ」

「ね?」

「ね…………寝付くまで、ここに居てくれないスか……」

後ろで黒子くんが吹き出している。

「黄瀬君……お粗末すぎます……」

後半は声にならない笑いになっている。
どうしたんだろう?
何か変だった?

「い、いや、あの、そうじゃなくて、神崎っち」

「うんいいよ、じゃあ寝付くまで、ここにいるね。黒子くん、今日はありがとう」

なんだか可愛いお願いに、思わず頬が緩む。
やっぱりスーパースターでも、風邪の時は心細いんだね。

「あ、神崎さん、連絡先交換しませんか」

「え、あの、マメなタイプじゃないですけど、それでも良ければ」

「お、オレも!」

なんだか、流れでメアドと電話番号を交換した。
男の子の連絡先がこのスマートフォンに登録されたのは、初めてだ。
初めての事、ばかりだ。





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