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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第79章 邂逅


「あと、ムラムラしたら言ってね。今日みたいにさ」

「ム……っ!?」

ムラムラ、ムラムラ……!?
そうだよね、今日私は痴女みたいな事したんだし……
ああ、幻滅されちゃった? どうしよう……

「ほら。それだって。悪いコトじゃないんスよ、そういう風に思うのって。オレのコト好きだからでしょ?」

あっけらかんとそういう横顔は、いつもの涼太。

「う、うん……」

「いいじゃないスか。オレだってみわと一緒に居たらムラムラするっスもん。それが自然なんだって」

「う……う、ん」

「女のコに性欲がないなんて思ってないっスよ」

「う……」

だめ、この手の話題はやっぱり恥ずかしい……。

「わ、分かった。あの、善処します」

涼太はまた楽しそうに笑って、はい、ヨロシクオネガイシマスと返してくれた。

こういう話題は、正直困る。
でも……

「涼太って、すごいね。私が考え付きもしないような視点で物事を捉えられるの」

「ん? そうっスか?」

「そうだよ。いつも、そう思う」

涼太は、私が考えた事もないことをさらりと言う。
コミュニケーション能力が高くて、なんでも出来る彼だから見える視点と言うものがあるんだろうか。

きっと、その視点は私よりもずっと高い所にある。

私は自分の小さな世界でいつまでもウジウジ悩んでいるだけだ。

「そんな事ないっスよ。オレがこういう風に考えられるようになったのは、みわのおかげっスわ」

「え……?」

私の?

「オレひとりじゃ、限界があるんスよ。みわと一緒に過ごして、教えて貰ったことばっかり」

「私……何も教えたことなんてないよ」

私は涼太に貰うばっかりで、涼太に教えて貰うばっかりで、彼に何かを残してあげられたことなんてない。

涼太は、何のことを言っているんだろう?

「みわは、ホントに自覚がないんスねえ」

「だから、なんのこと?」

「いいっスよ、いつかゆっくり教えてあげるから」

いつか、かぁ……。
いつだろう。

私はいつまで、彼と一緒に居られるのだろう。



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