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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第79章 邂逅


「んじゃ、行くっスよー。しゅぱーつ、しんこーう」

私がお茶をひとくち飲んだのを見て、涼太が嬉しそうにそう言うと、またゆっくりと車は動き出した。

ここ、どこだったんだろう……辺りは真っ暗だったけど、じきにまた大きな道路に出たみたいだ。

ふと、先程までの情事を思い出してまた顔が熱くなる。
なんて、なんて場所でなんてこと、してしまったんだろう。
恥ずかしいとかいうレベルじゃ済まない。

そもそも、私が発情して誘ったのが始まりだ。
こんな遅い時間まで……呆れられてないだろうか?

「オレさぁ」

ちらりと涼太の様子を伺おうとしたタイミングで丁度話しかけられて、肩が跳ね上がった。

「うん?」

「元はと言えば今日オレ、イチャイチャしたいなと思って会いに来たんスよ」

「え、あ、そう……なんだ?」

「でもさ、みわの顔見たら、そんなんどーでも良くなっちゃって。会えるだけで嬉しくてさ」

……嬉しい。
そう言って貰えるの、言葉に出来ないくらい嬉しい。
私も、ずっと会いたかったから。
ずっとずっと、会いたかったから。

「なんかさ、セックスしたいっていう欲って、いけないコトのような気がしないっスか?」

「……うん」

分かる。
すごく分かる。
だって実際、私の中には後悔の気持ちがほんの少しある。
ただ会いたかったと言ってくれた彼を、誘惑したこと。

「でも、さっきみわとシて気付いたんスよ。セックスって、会話だなって」

「会話?」

言葉通り、オウムのようにおうむ返ししか出来ない私。
だって、思いもしない単語だったから。

「こうやって会話してるのとさ、変わんないんスよ。あれも会話」

「……えっと……?」

なんだか、分かるような分からないような?
まだ、頭がぽーっとしているのが原因だろうか。

「ごめんね、そんな難しいコト言いたいんじゃないんスよ。難しく考えないで」

大きな手のひらでぽんぽん、と頭を撫でられて。

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