第79章 邂逅
「んっん、ぅあ」
自分でも制御出来ないくらい、全身が水揚げされた魚のように跳ねる。
絶頂を迎えた身体は、ほんの少しの刺激でも驚くほど敏感に反応してしまって。
粘膜が勝手に蠕動して、涼太自身を締め上げるかの如く、吸い上げていく。
「あ……ぁ」
ふ、と頬に触れた手が、いつもの大きい手のひらで安心する。
「りょうた……」
「大丈夫? みわ」
「ん……」
「セックスってさ、脳みそでするんだって」
……え?
「……のー、みそ……?」
涼太って、時々不思議なことを言う。
どういう……こと?
「相手のコトが好きだって、思えば思うほど気持ち良くなるみたいっスよ?」
「そう……なの?」
好き。
好き。
大好き。
好きすぎて、欲しすぎて
溶けてしまいそう。
頭も身体も。
「んでね、女のコは、ナカに入ってる形を想像すればするほど、イイんだって」
「想像……」
あ、だめかも。
今、言われた通りに少し頭に浮かべただけで、下半身がジンと痺れるような感覚になった。
ただでさえ今は、いってしまったばっかりで全く余裕がない。
のに、そんな中、またゆるりと出し入れされて……
「あっ、や、今っ……あ」
「みわ、好きだよ」
「あぁ……ッ」
触れた肌が、重なった唇が、甘くて熱くて、何も考えられない。
とろりととろけて、訳がわからなくなる。
嫌な事も、もやもやした事も、不安だった事も、この腕の中ではなんの脅威にもならない。
「涼太……好き……」
愛してる、はまだ堂々と言えない。
でも、このこころの中にある気持ちに偽りは一切無い。
「は……っ、やば、イキそ……」
頬が紅潮して、更に速くなる律動。
「あぁ、あッ!」
だめ、もうこれ以上は、おかしくなる。
下腹に力を込めようにも、もはや力が入ってるのかどうかすら確認出来ない。
卑猥に鳴り響く濡れた音の果てに、涼太と私の頂点があって……その後も、ずっと抱き合っていた。