第79章 邂逅
微かに喘ぐ声が、震えるほどに嬉しい。
もっと、私がして貰ってる時みたいに、もっともっと気持ち良くなって。
もっと気持ち良くなって欲しいのに……
ここは、思い切って聞いてみるしかないのかな。
「あ、あの、涼太……」
「……ん、どしたんスか?」
「えっと、あの……リクエスト、ございます、か?」
「へ?」
あれ、今なんか変な事言ったような。
どうしたらもっと彼のいいところを愛撫出来るか、自分だけじゃ分からないから、勇気を出して涼太に直接聞いてみようと思ったのに。
「……ぷ」
「あっ、笑った!」
涼太は、いつもみたいに肩を揺らして笑ってる。
「いや、突然美容院みたいになるからさ、おかしくて」
そうだ。
痒いところはございませんか、まさにあんな感じの発言だった。
「ち、違うの、今のは」
「分かってるっスよ、みわの考えてるコトは」
涼太は笑いながらそう言ってくれるけど、台無し!
この久しぶりの甘い空気を台無しにしちゃったよ……。
「ごめんなさっ、んん」
緩んでいた涼太の指の動きが再開されると、すぐに余裕がなくなってしまう。
ぼやけていく視界で焦点の定め方を模索しながら、ひたすらに彼のものを愛撫した。
「……は、みわ、さ……ヤバい、から」
眉間に皺を寄せて耐える姿が、綺麗。
うっすら汗が浮かんだ顔も、湿って表面温度が下がり始めた身体も。
「リクエストしていいなら……さ、もう、いいっスか……?」
全部全部、愛しい。
全部、欲しい。
「でもみわまだ、イッてないっスね……」
私をいかせようと、触れる指が震えてる。
今、私が望むのだって……
「涼太……私も、ほし、い」
涼太が、欲しい。
「お願い、涼太……」
「そんな事言ってさ……オレ……も、ガマンできねっスわ……」
カサリと取り出した小さな包みは、避妊具。
器用に口で開いて、ゴムの独特な音と共に装着を終えた。
「みわ」
「あ……ッ」
グッと腰を引き寄せられて、涼太が……入ってくる。