第79章 邂逅

ち、近い。
近い、近い。

暗いのにはっきり分かる、涼太の綺麗な目。
宝石のような明るく輝く琥珀色は確認出来ないけれど、モノクロに艶めく瞳。

私が映ってるの、見えるのかな……なんて呑気な事を考えている内にゆっくりと重なる唇。

上半身にのしかかる、涼太の体重。

勝手に、身体がぶるりと震えた。
欲しくて欲しくて堪らない気持ちが、また湧き出してくる。

「ん……ん、ん」

ぬるりと湿った生暖かい舌が、ゆっくりと侵入してくる。
弱い所を探るようにして深くなっていくくちづけに、思考に靄がかかるのがあっという間すぎて。

だめ、気持ち良い。
腰を揺らして、涼太の硬くなった下半身に擦り付けてしまう。

「んぅ、んぁ」

どうして、どうしてキスだけでこんなに乱されてしまうの。

お腹を撫でながらトレーナーの中に潜り込んできた手が、左の膨らみに触れる。

下着越しなのに、まるで心臓を掴まれたかのように、ドキドキして。

体温の高い指が小さな胸を揉みしだくと、耐えきれずに唇を離し、喘いでしまう。

「あっ、あ……だめ、ここ、くるま」

「誘ったのはみわっスよ……も、ガマンできねーから」

「あ……！」

だめ、なんてなんの抑止力にもならない。
涼太の言う通り、誘ったのは私。
ゆっくりホテルで、私の部屋でしましょうって？

ううん、私ももう
待てない。

……でも……

「だめ、涼太……汚しちゃう」

「ん？　何を？」

さっきから下半身が、熱くて熱くて……。

「久しぶりだから……いっぱい濡れちゃう、と思う……シート、汚したら大変」

「……」

涼太は大きなため息をついて……突然下着に手を入れ、私のそこに触れた。

「あ……ッ！？」

「ホントだ……もうめちゃくちゃ濡れてる」

「っ、あ……ん、汚しちゃう、って言ってる、のに……！」

「そんな可愛いコト言うからでしょ、も、逃がさないっスよ」

長い指が、入り口のぬめりを確認するように、ひたすら表面を擦る。

こんな所……なのに。