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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第79章 邂逅


「黄瀬ってさ、カノジョいんの?」

「ん? いるっスよ」

「即答かよ」

「黄瀬にいないわけないだろ」

駅前の牛丼屋。
4人席のテーブルで、バスケ部の同級生3人で集まってメシを食ってる。

意外に皆忙しく、当日声を掛けると大体大半は欠席で、このメンバーが集まる。

彼らはそれぞれポイントガードとセンターで……まだベンチ入りを目指してる状態。
この中で公式戦に出場しているのは、オレだけだ。

でも、来月からオレ達は2年生になって、センパイになって……彼らが中心になる時代がきっと来る。センスもある。努力もしてる。

何より、一緒に居る理由は……気が合う。
付き合いでの食事が多い身としては、気兼ねなく集まれるメンバーが身近にいるというのはいいもので。

「の割に、外出もしてねーしさ。いないのかと思ったわ」

その指摘に、思わず深ーいため息が出る。

「何、うまくいってねーの?」

さっきからズカズカ聞いてくるのはPGの夏目。
まあまあ、となだめるように一歩引いたところで話に参加してるのはCの井沢。

「まあ……19歳のカップルで、こんだけご無沙汰なのもなかなかないと思うっス……」

みわを最後に抱いたの、いつだっけ?
……え、待って。

今年、まだじゃねえスか!!

「何、遠距離恋愛なん?」

「……いや、隣の県なんスけどね、まあお互い忙しいっつーか……それよりも今重大な事に気付いたっスわ……」

そりゃ溜まるハズだ。
キスしかしてねー。

だめだ、考えると欲しくなる。
考えない、考えない。

「お前みたいなイケメンがチャラチャラ遊ばずに一途とか、最強かよ。存在自体が嫌味なヤツだな!」

「あ!」

そう言って夏目は、定食についてた漬物を攫っていった。
貴重な口直し用!!

……みわ、大阪に行ってんだよな。
昨日電話があったけど、やっぱりだいぶ疲れたみたいだった。

4月になったらまたちょくちょく行くみたいだけど……大丈夫っスかね。
腕時計をちらりと眺めてから、残りの牛丼に手を付けた。

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