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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第79章 邂逅


「久しぶりだな、お好み焼き」

「そう、なんですか?」

「そりゃ、大阪の人間がいつでも粉もん食ってると思ったら、大間違いだよ」

「……すみません」

関西のひとは頻繁に食べてると思ったけど、違うんだ。
……そう言えば彼は標準語だ。
確か、出身は関東だった筈。

「ねえ、ところで同い年だし、敬語やめない? おまけに俺達の仲じゃん」

「あの、それなんですが」

「ご注文はお決まりですか?」

ああ、狙ったかのように来る店員さん。
イントネーションが標準語とはちょっと違う。

「みわ、俺にお任せでいい?」

「あ、はい」

海常の皆とお好み焼き屋に行った時も、いつもお任せしちゃってた。

閑田選手は、勝手知ったるという感じで、次々と注文していく。
店員さんは手元の電子手帳のようなものを操作し、注文を復唱して去っていった。

「で、何?」

「あ、あのですね。閑田選手の事、覚えていないんです、申し訳ありません」

言えた。
もう何者にも邪魔はさせまいと、一息で言った。

「みわ、俺の事怒ってんの?」

「へ」

まさかの返答。
怒ってる?

「いえ、違うんです、怒ってるとかじゃなくて、あの、記憶にないんです、本当に申し訳ないのですが」

「ごめん、俺中学に上がってから全然連絡取ってなかったもんな。いきなり大阪で再会して気安く話しかけられて、怒るのも無理ないと思うよ」

「いえ、ですから……ちゅう、がく?」

今、彼はなんて言った?
中学に上がってから連絡を取っていなかった?

と、言う事は……

「えっと、私達……同じ小学校だった、という事でしょうか?」

「……みわ、マジで言ってんの?」

流石に私の発言が演技ではないと気付いてくれたのか、閑田選手は信じられないといった風に眉根を寄せた。


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