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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第79章 邂逅


……えっと……。

「はい、神崎みわです……」

今私、みわって呼ばれたよね?
みわって名前に、何か思い入れでもあるのかな。

「俺だよ、秀一! 覚えてない?」

それなのに、続いた言葉は更に予想の斜め上で。
覚えてない? って言う事は、知り合い?
かんだしゅういち……ダメ、全く心当たりがない。

どうしよう、覚えてないって言ったら失礼だよね。
でも変に話を合わせようとしたって、噛みあわなくてかえって失礼だ。

ど、どうしよう。

「神崎、行くぞ」

体育館の入り口から私を呼ぶのは、マクセさん。
今夜はスタッフたちで食事に行くって言ってた。

「は、はい! 今行きます!」

補佐の私が皆をお待たせするなんてとんでもない。
急がなきゃ。

「あの、すみません……ちょっと急いでいて」

今はこれで逃がして貰うしかない。
ホテルに着いたら、ゆっくり思い出そう。

「いいよ。突然話しかけてごめん。みわ、今度一緒にメシ行こう!」

彼はそう言うと、ドリブルをしながら人の少なくなったコートへと戻っていった。

も、物凄く親しげに話しかけられてしまった……。
やっぱり人気がある人というのは、コミュニケーション能力が高いものなんだろうか……?


「どうした、閑田と何か話してたのか?」

「あ……えっと、俺の事覚えてるかって聞かれて……私、すぐに思い出せなくて困ってしまっていたところでした」

マクセさんは、深いため息をついた。
私、何か変な事を言ってしまったんだろうか。

「本当に知り合いならいいんだが……俺が知っている中でも最も古いと言っても過言ではないレベルのナンパ文句だからな」

「え」

ナンパ?

「まあ、彼がそういう事を言うタイプなのかは知らんが……気を付けるように」

「は、はい……」

一体、なんなんだろう……。



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