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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第78章 交錯


腰が……痛い。
ギシギシと軋むようで、それでいて重しをつけられてるみたいに重くて。

涼太に深くまで愛された時とは違う痛み……意識が覚醒するのと同時に感じるのは、下半身の不快感。

月に一度、本当に女でいるのが辛くなる1週間。
トイレ行かなきゃ……って、ちょっと待って。
そうだ、涼太が来てくれてた!

私、気が付いたらまた眠ってしまっていたんだ。
涼太がそばに居てくれると、どうしても安心しきってしまって……。

部屋の中に彼の気配はない。
電気を点けて、部屋を出た。

「あき!」

あきは、リビングで雑誌を広げながらお茶を飲んでいた。
肩にかけられたタオル……お風呂上りみたいだ。

「あ、起きた? オハヨー」

「おはよう、あの、涼太来てたでしょう、会った?」

「あー、30分位前に帰ったよ」

「そっか……」

もう時刻は深夜2時を過ぎている。
涼太、思ったよりも長く居てくれたんだ……。

「体調大丈夫なの?」

「あ、うん、ただの生理痛だから……あきこそ、なんか顔色悪いけど大丈夫?」

部屋が薄暗いから、ではないだろう。
どことなく青白い顔。

「……あのさ、みわ」

「うん、どうしたの」

両手でマグカップを包むようにして、俯いたままあきは何も言わなくなってしまった。

「……ごめん、やっぱなんでもない」

「ええ?」

とても、なんでもないようには見えない。
何か、怯えてるというか……とにかく、いつものあきらしくない。

「何か悩んでる? 私には言えないことだったりするの?」

責めるつもりなんてないんだけど、焦ってしまって、つい詰問口調になってしまう。

「……ううん、そういうんじゃない。あんただから言えないとか、そういうのは絶対にない。だけど……ちょっと、もう少し整理がついてから相談させて」

「……うん。分かった。私はいつでも大丈夫だから」

「ありがと。そう言って貰えるだけで気持ちが楽になるわ」

あきも、何かに悩んでいるんだ。
いつも力になってもらってばかり。
ちゃんと、私もあきの力になってあげたい。

でも、彼女には彼女のタイミングがある。
待つことだって、大切だ。


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