• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第78章 交錯


「あの、ほら、運転して来てくれる事が多いでしょう、だからコーヒー、あった方がいいかなって」

「インスタントだとお手軽なんだけど、やっぱり味はドリップの方がいいって言う人もいて、だったら選択肢が増えた方がいいかなって」

「あの、保存もきくしね、買っておく分にはいいかなって」

次から次へとみわの口から出てくる言葉たち。
珍しく早口になって、まるで言い訳みたいな。

「そんな慌てなくていいのに。別に悪いコトしてる訳じゃないっスよね。お礼言うのはこっちっスわ」

その慌てぶりが面白くて、笑いが止まらない。

「じゃードリップにしよっかな」

個包装になっているパックを開けて、取っ手のようになっている部分をマグカップのふちに引っ掛けて、お湯を注ぐ。

立ちのぼる湯気が、いい香り。
あー、コーヒーアロマに癒される。

「みわは何にする?」

「あ……じゃあココア、お願いしてもいいかな」

「りょーかい」

確かココアって、冷えに効くんだったよな。
マグカップをふたつ揃えて、ダイニングテーブルへと運んだ。

「いただきまーす。そういや、桃っちにも会ったんスよ」

「そうなの? さつきちゃん、メールでしか話せてなくて……今度時間作って会おうねとは言ってるんだけど」

「なんかさ、青峰っちとのこと、聞いてる? 桃っちの家に青峰っちが結構出入りしてるみたいでさ、付き合ってんのかなって」

「青峰さんとは、お付き合いはしていないみたいだよ。ただ、今後の事、悩んでるみたいだから相談してるのかも」

みわは、驚いた様子も無くそう言った。
桃っちは、やっぱりみわにはある程度話してるみたいだ。

「今後の事?」

「さつきちゃん、大学休学して青峰さんについて行こうかって、そう考えてるみたいで」

「……はぁ!?」

え、ついて行く?
アメリカに!?
付き合ってもないのに!?
それじゃまるで奥さんじゃないっスか!?


/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp