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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第24章 引越し


黄瀬くんはドヤ顔で私のオムライスに何かを書き始める。

「出来たっス!」

オムライスにはでかでかと

涼太♡

と書かれていた。

……

「えっと……」

「え、反応薄くないっスか!? オレの全部を食べて♡っていうメッセージなのに!」

「いや、顔文字とかそういうのを想像してたものだから、正直リアクションに困って……」

「もー! マジメに困らないで欲しいっス〜!」

「あ、冗談……だよねそうだよね、ごめん、なんか真に受けちゃった」

「みわっち、真に受けたってどういうことっスか!? オレの全部を食べてくれるって事っスか!?」

近い近い顔が近いよ!

「ちがうってば! もう! 冷めちゃうからいただきますよ!?」

恥ずかしさを隠しながら、オムライスをひとくち取る。
文字が書かれてないところを。

「あっみわっち、ちゃんとケチャップのトコ取ってほしいっス!」

「なんか、キレイに書けてるから崩しづらくて」

「バシバシ崩して食べて欲しいっス」

……談笑する時間なのに、ホント、なんでずっとドキドキしてるの?

「オレの方にはみわっちの名前書こうっと」

楽しそうにみわ♡と書いている。

「さーみわっち、いただくっスよ〜……上からがいいっスか? それとも下からっスか? それとも右っスか左っスか〜?」

「た、ただのスケベオヤジか!」

「ひどいっス! みわっちが純粋すぎるんスよ! オレはこういう事ばっか考えてるって、言ったっスよね!?」

純粋……
昨晩の洗面所での行為を思い出す。

黄瀬くん、私、純粋なんかじゃないよ。
昨日ね、黄瀬くんのTシャツ使ってね、1人でいやらしい事してたんだよ。

こんな私知られたら、絶対幻滅する。
あんなみっともない姿、見られたら死ぬ。




「んんん、美味しい!」

「ほんとっスか〜! 良かったっス!」

お腹が空いていたというのもあって、ペロリと平らげてしまった。

「ご馳走さまでした……」

「お粗末さまっス、ソファで食休みしてて」

「いいのかな……ありがとう」

お皿を下げた後、ソファに腰掛けた。

温かいお茶を2つ持った黄瀬くんが、後からやってきて隣に座る。

「ありがとう。至れり尽くせりだね」

黄瀬くんが優しく微笑む。
その瞳の中に吸い込まれそうだ。


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