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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第24章 引越し


「じゃあ私、今日はそろそろお暇しようかな」

「えっみわっち、ご飯は?」

「引越したばかりで大変でしょう、またゆっくりお邪魔するよ」

「そんな〜! 今朝、材料買っておいたのに。無駄になっちゃうから、せめてご飯だけでも食べて行って欲しいんスけど」

う、そんな、捨てられた犬みたいな……。

「じゃ、じゃあ……お言葉に甘えてご飯、いただいていこうかな」

「やった! すぐ作るっスから、テレビでも観てていいっスよ」

そう言ってテレビをつけてくれたけど、全く画面に集中できない。

対面式キッチンになっているので、横を見ると料理中の黄瀬くんが見える。

目が合うと、笑顔で手を振ってくれた。

「あの……やっぱり手伝うよ」

「いつもみわっちには作って貰ってばっかりっスからね、たまにはのんびりしてて」

「……分かった……あり、がとう」

でも、この沈黙に耐えられない。
変な想像ばっかりしちゃう。

テレビを消し、ダイニングテーブルの所まで移動して、席に着いた。

「あれ、テレビ観ないんスか?」

「……テレビは、いいよ。黄瀬くんと話してる方がいいかなって。なんかお話しよう?」

これ以上1人で悶々としていたら、おかしくなってしまいそう。

黄瀬くんを見ると、顔がほんのりと赤くなっている。

「そんな事急に言われると……照れるっスね」

「え、あ、うん、そうだね」

しまった、余計気まずい。

「みわっち、合宿はどうだったんスか?」

良かった。バスケの話題なら変な妄想しなくて済む。

「うん……海常は元々皆、基礎能力が高い人ばかりだけど、1回目の合宿でかなりベースアップしたと思うよ。黄瀬くんで言うと」

「ストップみわっち、詳しくはコートで聞かせて! そっちマジメに聞いてると、焦げそうっス」

「あはは、そうだねごめん。……いい香り」

「ハイ、お待たせしました! 簡単っスけど」

オムライスにスープとサラダ付き。
すごく美味しそう。

「すごーいキレイに焼けてる! 美味しそう!」

「じゃあみわっち、ケチャップはオレがかけてあげるっスから!」

意気揚々と冷蔵庫からケチャップを取り出す。

ああ、よく顔文字とか書くやつかな?

「何書いてくれるの?」



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