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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第78章 交錯


もう運転にもすっかり慣れた。
でもみわからは、慣れた時が一番危ないから、今まで以上に気をつけるようにと厳しく言われてる。

すっかり暗くなった街を緩やかなスピードで走り抜ける。
夜って、結構好きだ。

なんか、都合の悪いものを隠してくれる気がするから。
こんな風に思うんだから、オレは根っからの面倒臭いヤツなのかもしれない。

「2人とも、元気そうで安心しました」

「黒子っちも、相変わらずっスね」

「青峰君は……寝てますね」

「行きもそうだったんスよ、助手席には火神っちに乗って貰ってさ」

助手席に座る水色の髪。
火神っちが座ってた時と違って、それほど圧迫感は感じられない。
それもそのはず、黒子っちの身長は確か、みわより僅かに低かったか、同じくらいだったはず。
ちょっと、みわが隣に乗ってくれてる時の感じに似てるんだ。

「……黄瀬君」

「ん?」

「やっぱり、ボクがみわさんと会うのを良くは思っていないですよね」

……ホントに相変わらず、儚げな見た目と反して真っ直ぐ聞く男だ。

「んー……そうっスね、正直に言えば大歓迎とはいかないっスわ」

「言わないんですか、みわに近づくなって」

「それは言わないっスよ」

「どうしてですか?」

それは、言えない。
束縛なんか、出来るわけない。
交友関係にまで口出して、みわの自由を奪いたい訳じゃない。
みわの笑顔を奪いたい訳じゃない。

「黒子っちはみわにとっても大切な友達っしょ」

「……キミは」

前の信号は青。
交差点を直進しようとして……
突然右方向から動く影が視界に入ってきた。

「っと、あぶね!」

グッとブレーキを踏み込んで、急停車する。
胸にシートベルトが深く食い込んだ。

「っぶねー、なんスかあのトラック。ごめんね黒子っち、大丈夫? なんか言ってたの聞こえなかったっスわ」

「いえ、なんでもないです……次の角、右折でお願いします」

「オッケー」

黒子っちを下ろして、残るは寝てる青峰っちを運ぶ役となった。
サイドミラーの黒子っちが、段々小さくなっていく。




「黄瀬君は昔から時々、清々しい笑顔で残酷な事を言いますよね」



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