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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第78章 交錯


「ちなみに青峰君、弔いじゃなくて餞、でしょう」

「おう、それだ、はなむけ」

そうだ、はなむけの言葉、とか言うよな。
うんうん、それそれ。
そう思って青峰っちと一緒になって頷くと、黒子っちは呆れたように微笑んだ。

「それにしたって、弔いなんて言葉が青峰君から出た事の方が驚きです」

「んだよそれ。昨日テレビで見てたからだっつーの」

「青峰君、大河ドラマなんて見るんですね。確かに昨日は弔い合戦のシーンでした」

大河ドラマ……確か、みわがお祖母さんと見てたような。
オレは見てないけど。歴史ニガテだし。

「俺じゃねーよ、さつきが見てえって言うからよ」

……

「は?」

「え?」

オレと黒子っちの声が見事にハモった。
桃っちが?
ん?
大河ドラマって、夜放映してんじゃなかったっけ?
どこで?
一緒に居たんスか?

「青峰っち、なんか今すげえコトさらっと聞いたような気がするんスけど」

「ボクも、ちょっと何が起こったのか分かりませんでした」

「あ? 2人して意味分かんねー事言ってんなよ。おら黄瀬、やんのかやんねーのか」

「あ、やる! やるっス!」

はぐらかされたんだか天然だか分かんないけど、今はとにかく青峰っちとバスケがしたい!

「2人は相変わらずですね」

「テツも、やんだろ」

そう言えば、火神っちから電話を貰ってボールに触りたくなった、って言ってた。

「黒子っちに電話したって言ってたっスわ、火神っち。さっきまでオレ達、一緒にメシ食ってたんスよ」

「そうだったんですか」

「うん、今日全日本の練習があったからさ」

ブルズとの話を、親より誰よりも先に黒子っちに報告するのが火神っちらしいっつーか……この2人の絆の強さを感じる。

「驚きました、突然のことだったので」

「オレ達も驚いたっスよ!」

「でも、驚いたというのは"意外で"という事ではないですけどね。火神君ならいつかはこうなると信じていましたし」

黒子っちも変わんないな。
意志の強い瞳は、そのまんまだ。

「まあ、折角集まったんだ。やろーぜ」

変わんないな。
大切な仲間は。



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