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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第78章 交錯


「火神っち、雑でごめん。おめでと! またゆっくりお祝いするっスよ!」

「いや、こっちこそ悪い! ありがとな!」

ほんの数品とドリンクだけど、前祝いってコトで今日は奢り。

火神っちが嵐のように去って、青峰っちと2人になってしまった。

公表されれば、日本中が大変な騒ぎになるだろう。
なんたってあのブルズ。

「青峰っち、先越されて悔しいんじゃないスかー?」

重苦しい沈黙を打ち破りたくて、ちょっと軽口を叩こうとしたら。

「たりめーだろ」

「ん?」

「悔しいに決まってんだろ」

あまりに自然に、ぽつりとそう言うもんだから。

あまりに青峰っちらしくない、と言うか。
もっとなんつーか、俺のがふさわしいとか、憎まれ口っていうか、そういう事を言うかと思ったんだけど。

……青峰っちも、もうすっかり火神っちのコト、認めてんスね。

「俺もすぐに行ってやる。いい感触は掴めてんだ」

浅黒くて大きな手がグッと握られた。
今迄、その力で色んなモンを掴んできた手だ。

力が強すぎて、大事なモンも全部握り潰してしまった時もあった。

でも、青峰っちは、もう大丈夫。
きっと、火神っちと同じステージに立つ。
不思議と、自然にそう思えるんスわ。

「で、青峰っちは桃っちと付き合ってんの?」

「あん? んなわけねーだろ」

「いや、んなわけねーだろって……」

「さっきから何だよ、お前」

え、桃っち何やってんスか?
青峰っちが全日本メンバーに選ばれて、更にこれでNBA選手なんていったら、女のコは放っておかないっスよ!

ただでさえ、普段のぶすっとした表情とバスケやってる時のイキイキした顔のギャップで、人気があるっていうのに。

みわは桃っちからなんか聞いてんのかな。

みわ、何してんのかな。
明日は大阪に行く予定って言ってたけど……。



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