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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第78章 交錯


「……はー……」

日が長くなって来たとはいえ、まだまだ暗くなるのは早い。
息を吐きながら空を仰ぐと、ささやかな星空が目の前に広がっていた。

今日は午前中がバスケ雑誌の取材、午後からは徹底的に身体をイジメ抜いた。
身体中の筋肉が悲鳴を上げている。

いつもよりも重く感じる自宅のドアを開け放って、部屋へと転がり込んだ。
目の前に映るのは、すっかり見慣れた天井。

あー……このまま寝てしまいたい。
昨日、空いた時間にみわがウチに来て、料理を作っていってくれた。

オレは夕方から全日本の集まりがあって帰りが遅かったから、みわには会えず。
ひとり寂しく、愛の籠った手料理を食べる……うう、泣けるっス。

みわとゆっくり会えたのは、オレがぶっ倒れた……バレンタイン前後が最後か。
もう早くも3月、来週にはホワイトデー……なんだけど、その日は朝から遠征の予定が入っていて。
会えるのはまだ暫く先になりそうだ。

……なんてそんな悠長なコト言ってると、時が経つのは本当にあっという間で。
何か月も会えないこの欲求不満を、どうにかして欲しい。

あれから体調は悪くない。
自己管理の大切さが身にしみたあの一件、仕事の方をセーブしながら、バスケに打ち込む日々。

みわは、確か今月1回マクセサンと一緒に大阪に顔を出して、後は習い事を始めたい、なんて言ってたな。

大丈夫。
距離があったって、毎日会えなくったって、気持ちさえ繋がっていれば。

「風呂……いや、その前にメシ……」

今目を閉じたらおしまいだ。
分かってる。
前科も、山ほどある。

分かってるのに、身体が怠くて動く気にならない。

いちにのさんで立ち上がろう。
それ、いち、にの……
……
いち、にの……
……


ぺらぺらの理性は今日も健在。
寝落ちる直前に、インターフォンが鳴ったような気がした……。
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