第23章 夏合宿 ー最終日ー
電話を切った後に耳に残っている声と香りで、ついまた陰部を触っていたが、結局、いく事は出来なかった。
それどころか、なんだか物凄い罪悪感を感じる。
涼太に触れられた昨日なんて、……何回も、だったのに……。
洗濯終了の電子音に驚き、焦って手を止める。
洗面台の鏡の中の自分と目が合った。
……私、こんな顔してるのか……
正直、なんだか気持ちが悪かった。
全く知らない自分の顔だったから。
紅潮して、息が荒くなっている自分の顔。
何よりも、この顔を黄瀬くんに見せているのだと思うと、死にたくなるほど恥ずかしかった。
もっと美人だったら。黄瀬くんと並んでてお似合いの、美女なら良かったのに。
何やってるんだろう、私。
こんなこと……。
それになんだか、すごく虚しい……。
確かに気持ち良かったけど、黄瀬くんと肌を合わせている時の安心感や、あの快感を覚えてしまっているからか、する前よりもずっと寂しく感じてしまう。
まとわりつく欲を振り払うように、衣類を洗濯カゴに放り込んだ。
何をしていても、黄瀬くんの事を考えてしまう。
今、何してるんだろう。
もう寝たかな。
…………
どうしてこんな風になってしまうんだろう。
怖い。もし黄瀬くんがいなくなったらどうなるんだろう。
最近の私、依存しすぎかもしれない。