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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第78章 交錯




「みわも知ってるかな、大阪にバスケがつえー学校があるんスよ」

「え……あ、うん、知ってる」

「そこのエース、オレ苦手なんスわ」

あの学校のエース……確か彼は、大学に入ってからバスケを始めたんだとか。

異例中の異例。
大学で初心者が入ってくることなんて、まずないと言われるくらいなのに。

相当な自信家らしく、以前大会で顔を合わせた時には、正面切ってライバル視された。
いや、ライバル視というか……"お前みたいな男は嫌いだ、絶対に負けたくない"って言われた。

一体オレの何が気に食わなかったのか。
全国規模の大会では毎回顔を合わせたりするものの、結局、一度も対戦した事はないのに。

確か、出身は関東だった筈。
でもそもそも高校ではバスケをやっていなかったんだから、面識すらなかった。

サラサラの金髪で、なかなかのイケメンなのがオレと被ってるからだろうか?
残念ながら、時間が経ってしまい顔は覚えていないけど……。

彼も天才だ。
バスケを始めてたった2年で頂点を狙うチームのレギュラーを獲得したんだから。

帝光に入学した頃を思い出すな。
でもとにかくオレは苦手。
キライっていうほど興味はないけど、苦手だ。

そんな話をしてたけど、みわはどこか上の空だったみたいで。
鍋の行く末が気になってて、集中できてなかったんスかね?

「大阪、みわと2人で旅行に行きたいっスね。食いだおれツアー」

みわと行きたいトコ、いっぱいあるんだよなあ。

大阪に行ったらお好み焼きにたこ焼きに串カツにうどんに……ダメだ、腹が減る。

「うん……そうだね」

「みわ? どしたんスか?」

みわ、さっきから元気がないような。

「やっぱり、疲れちゃったんスかね。今日はさ、もう休まないっスか? 朝からバタバタしちゃったし、明日オレも手伝うっスよ」

少し考え込んで、そうだねと返事をしたみわは、やっぱり元気がなかった。


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