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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第78章 交錯


「あ、モシモシみわ?
……うん、観てくれたんスね、ありがと。
昨日の夜急に連絡あってさ、なんかバタバタしてたらメッセージしそびれちゃって、ごめん」

昨夜、連絡漏れがあったと電話を貰ってから、寝ずにテレビ局へ移動。
担当が変わったみたいで、引き継ぎがうまく出来てなかったんだとか。
勘弁して欲しいんスけどそういうの……。

『ううん、忙しそうだね。じゃんけん、勝っちゃった』

ふふ、と笑う声はマシュマロみたいに柔らかくて。

「ホント? 占いコーナーもさ、緑間っちが観てるだろうと思うと、なんかキンチョーしたっスわ」

今朝、情報番組のいくつかのコーナーに出演して、出番自体はアッサリと終わった。
緑間っちがいつも観てる、あの番組だ。

収録が終わり、部屋に戻って来たものの、もう昼近い。

1時間寝たら、午後練に参加だ。
朝から練習出来なかった分を、取り戻さなくては。

その前に、どうしてもみわの声が聞きたくて。

「みわと最近喋ってなかったからさ……なんかお喋りしよーよ。今大丈夫?」

バイトだとしても昼休憩の時間だろう。
ベッドに転がり、みわに電話をかけたところだ。

『大丈夫だけど……涼太、あんまり無理しないで。来週会えるし、今は少しでも寝て、ね?』

「んー、でもさ……」

『でも、じゃなくて。ちゃんと寝ないと倒れちゃうよ。寝よう、ね?』

ああ、その諭されるような感じもスキ……。
みわの声って、本当に落ち着くんだよなあ。
これも、才能だよなあ。

あー……また、この感じ。
みわと話してると目の周りがじんわりと熱くなって、体温がカーッと上がって、瞼が重くなっていく感覚。

『涼太? 大丈夫?』

「……ごめん、眠い……スわ……」

この眠気に勝つ為には、思い切って起き上がり、ベッドから降りるしか方法がないのは経験済み。

えいやっ、と思い切るしか。

思い切って……

起き上が……




やってしまった。

目が開いたら、既に練習開始15分前。
通話は終了してる。

光の速さで着替えて、体育館へ向かった。
腹が減ってたから、走りながら30秒でチャージ出来るゼリーを飲み込んだ。

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