• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第23章 夏合宿 ー最終日ー


オレはこうして、みわっちの隣に座ることに成功したのである。

……さっきからみわっちは爆睡だけど。

オレの肩に寄りかかる彼女が可愛い。

みわっち独占、到着までじっくり観賞するっス!

「……嬉しそうだな黄瀬」

小堀センパイが少し呆れたように言った。

「そうっスか?」

「お前も疲れたろ、寝ろよ」

「大丈夫っスよ!」

とは言ったものの、やっぱり合宿はキツかったっスね〜……






「……笠松、黄瀬寝たか?」

小堀が少し身を乗り出しながら笠松に問いかける。

「……寝てるな」

笠松が声を低くして答えると、真後ろの席から森山が顔を出した。

「どれどれ、モデルの寝顔でも拝見しようかね」

「なんだ森山、起きてたのかよ」

笠松も小堀も少なからず驚いた。
今の今まで静かだったので、森山はとっくに寝ているものだろうと思っていた。

森山は席を立ち、黄瀬と神崎の席を覗き込む。

「俺だけ1人寂しく寝るわけにはいかないだろ……って、こりゃまた大口開けて寝てんな。神崎も同じような顔してるけど」

笑いながら写真を撮る森山。
森山は、黄瀬と神崎のコンビが好きだった。

どちらも不器用だけど、真っ直ぐで。
放っておけない存在だ。

「……なあ笠松、黄瀬って最近までずっと、遠征の時も移動中、俺たちの前で寝たことってなかったよな」

小堀の問いに、笠松が意外そうに答える。

「なんだ、小堀も気付いてたのか」

「小堀だけじゃなくて俺も気付いてたけどな」

森山も負けじとそう言った。

「弱味を見せたくなかったんじゃないか。
いつも厚い壁張って、深い所には踏み込ませないって感じだったもんな」

小堀のその言葉に、森山も深く頷いた。

「……心を開いてくれてるみたいでさ、なんか嬉しいよな」

森山がそういうと、小堀が笑顔で返す。

「そうだな、素直に嬉しいよ。最初があんな感じだったからな。……笠松もだろ?」

「……まあな」

笠松は、小堀とは対照的に少し照れ臭そうにそう言うだけだった。

「しっかしすげえ顔だな、モデルさんよ」

3人は声を揃えて笑った。



/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp