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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第78章 交錯



「君の瞳は、採れたての琥珀のようだ!」

「森山センパイ、それなんか違うっス! 採れたての宝石なんて、汚れまくってんじゃないスか!」

「む、そうか……難しいな……」

あれから数時間、センパイ達はかんっぜんに出来上がってる。

中村センパイは酔い潰れて寝てるし、笠松センパイと小堀センパイは、紙を広げて戦略会議をしている。

何の紙かと思ったら、来年からの卓上カレンダーの裏面だった。
おまけに1月の! これから使うのに!

早川センパイは、彼女サンを送り終えてから戻って来て、ひたすらおつまみを食べながら飲んでて。

そしてオレはというと、森山センパイに思いっきり絡まれている。

うん、カオス。
酒って怖い。

「さっさとー……結婚しろよー……」

森山センパイは突然そう言うと、体にフィットするソファクッションへと沈んでいった。
浮かび上がる気配の代わりに、聞こえて来たのは寝息。

「あの……センパイ達、一緒に年越ししに来たんじゃないんスか……」

まだ年が明けるまでには時間がある。
0時になった瞬間、一緒に盛り上がれるのは何人だろう。

仕方ない、荒れた部屋を少し片付けておこう。

美味くできた雑炊まで完食し、空になった鍋をシンクまで運ぶ。
続いて、取り皿を始めとした空いた皿を片付けて。

ついでに飲み終わった空き缶を回収しながら部屋の中を歩き回り。

……オレ、年末に何やってんだ?
酒飲めるようになったら、オレだって飲んで酔っ払ってやる!

謎の決意を胸に、皿を洗った。
……前に、酒には呑まれないと誓った記憶がありつつも。



洗った皿を水切りカゴへ立てて、ふうと息を吐き濡れた手をタオルで拭いながら後ろを振り返ると……全員寝ていた。

「マジっスか」

笠松センパイまで。
大学のバスケ部の飲み会じゃ、こんな風になるまで飲む事がないから驚いた。

やっぱり、海常の仲間は特別なんだろうか。


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