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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第77章 共栄


実家にあるのよりは小さめの2ドア冷蔵庫の中は、食材で埋め尽くされていた。
男の1人暮らしとはまた違うようで、ちゃんと自炊している証拠だ。

冷凍室が大きめなのも気になる。
忙しい2人が、あーだこーだ言いながら決めたんだろうか。

冷蔵室の上からの2段は、みわとあきサンの名前のアルファベットのシールがそれぞれ貼られてる事から、ここに置いてある物だけは個人の物で、あとは共有、という形をとってるんだろう。

みわの段に置いてあった、ミネラルウォーターのペットボトルを手に取った。

キッチンもキレイに片付いてる。
さすが女のコ。

……みわと、暮らしたい……
頭の中ではそんな計画ばかりが浮かんで。

部屋に戻ると、みわが起き上がっているのが目に入った。
真っ暗なのが苦手らしいみわの部屋は、寝る時も間接照明をつけるから、結構室内は明るい。

その表情が穏やかな様子を見て、ホッと安心した。

「みわ、起きたんスね」

「うん、ごめんね……寝ちゃって」

いやいや、そもそもオレがイジワルしたんだけど。

「少しでも眠れたなら良かったっス。水、貰っていい?」

「うん。涼太、身体は大丈夫?」

フラフラなみわに言われても……。
だから、オトコは出してダルく感じる位だってば。

「オレはメチャクチャ元気。何回戦でもいけそうっス」

「う、いや、それは……」

ラベルをよく見てみれば、オレが好きなミネラルウォーターだ。
もしかして、オレの為に……買ってくれた?

ひとくち飲んで喉を潤すと、みわにも口移しで……なんて思ったけど、絶対に2回戦をしたくなるから、やめた。

ボトルを手渡すと、みわもゴクゴク喉を鳴らし、ぷは、と小さく息を漏らした。

「あ、のね涼太……お願いがある、の」

「うん、何?」

「あの、その荷物の中に入ってる、長袖のTシャツを1着貸して欲しいんだけれど……」

みわは、オレが持って来た荷物を指差してそう言った。

「ん?」

どういう事っスか?


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