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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第77章 共栄


「……ハァ、ハァ」

脱力感に抗いながら、呼吸を整える。
数回荒く息を吸って、最後にゆっくりと吐いた。

みわは、くったりとして動かない。
殺してしまったのではないかと一瞬焦ったけど、規則的に上下する微かな胸の動きを感じて、安心した。

……それにまだみわのナカは、きゅうきゅうと収縮してオレを締め付けてる。

「あー……持って帰りたいっスわ……」

何度もイく直前に寸止めして、最後には懇願させるという底意地の悪い事をした。
オレが欲しいって、お願いって言わせたかった。
ワガママ言えよって。
オレには言えよって。

髪を振り乱して喘ぐ姿がキレイで、思わず見とれた。
オレのだ。
オレだけのもんだ。
誰にも、渡さない。

自分の中に、こんなに醜い独占欲があるなんて思わなかった。
来るもの拒まず、去るもの追わずな人生だったのに。

名残惜しいけれども、彼女に埋め込んでいる自身を引き抜く。
結合部はぐっしょりと濡れていた。
脳内で再生されるのは、涼太、涼太と喘ぐ声。

「……可愛すぎだって」

タオルで2人の身体を拭うと、衣服を身につけて部屋を出た。
少し喉が渇いたから、なんか飲もうと思って。

「……みわは?」

「おわ、あきサン」

リビングに出た途端、キッチンに立っていたあきサンからキツい口調で質問が飛んできた。

「あー……うん、今、寝てる」

それが何を意味するかはきっと、言わなくても分かってるだろう。

「あんたさ」

「……なんスか」

「…………なんでもない」

彼女はそれだけ言うと、手もとのコップを洗い、部屋に戻ろうとした。

「風呂、自由に入っていいよ。どーせ明日の風呂掃除はみわが当番だから」

「あ、そっスか、アリガト」

そっけない中にも優しさがある。
みわと一緒に住んでいるのがこのヒトで安心した。


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