第77章 共栄
「ん……ァ、あ、ん」
ゆっくり、涼太がナカを掻き回すように腰を動かすと、じわじわと子宮から滲み出してくるような快感に、身悶える。
時折抜こうとして、また一番奥まで突き込んでを繰り返されて。
「……もう、痛く、ないスか」
「あっん、だい……じょうぶ」
一瞬顔に出てしまったのか、挿れてからの彼もずっと優しくて。
ごめんって言いながら、ゆっくり愛してくれる。
「んん、あ、ん」
下半身が痺れていくような感覚…コントロールが効かなくなって、漏らしてしまいそうな脱力感。
それだけは絶対ダメだと自分を律し、ぐっと下腹部に力を入れる。
「……っ、締め、すぎ」
「っあ、涼太も……痛くない? きもち、い……?」
「気持ちいっスよ……イかないよーに、めちゃくちゃ我慢してるっつの……」
時々、何かに耐えるように身体に力を入れると、腹筋の線が濃く深くなる。
少し、苦しそうな顔。
頬が紅潮して、流れる汗を拭おうともしない姿は目のやり場に困ってしまうくらい、妖艶で。
目に、焼き付けておこう。
たとえ会えなくても、決して忘れないように。
鮮やかな黄色が、色褪せないように。
でも、段々と視界が白んでくる。
身体がひくひくと動いて、最後の時を迎えようとしているのを感じる。
「あ……ぁ……ん……」
あ……いっちゃい、そう……
込み上がって来た快感が、臨界点を超える前に……止まった。
「……へ……」
見ると、涼太の腰の動きも止まっている。
微動だにしない。
「涼太……?」
「まだ、イッちゃダメっスよ」
にこりと微笑んだその顔は、憎らしいほどにあどけない笑顔……。
それは未だかつてなく濃厚な夜だった。
「ん……ッ、あぁ……も、おねがい……」
「だぁめ」
何度も揺らされ、焦らされて……一度もいかせてはくれなくて。
ようやくいくのを許された時には、意識が吹き飛んだ。
混濁していく意識の中で、涼太への身体の負担はなかったのか、そればかりが気になっていた。