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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第77章 共栄


「ね、みわ」

「待って」

首筋に触れようとした手を、両手で挟まれた。
そう、それはまるで白刃取り。

「もーみわ、オレは真剣なんスよ?
真剣白刃取りじゃなくて、マジなの!」

「白刃取り……? わ、私も真剣だよ! だめだってば……!」

ハタから見たら、多分ちょっとしたコントに見えるであろう2人。

もうオレの頭にはみわの感じて喘いでるカオがちらついてるワケで、今更止められねーんスけど……。

「みわ、みわがイヤならしない。イヤ?」

ホンット、オレって性格悪い。
みわは今、オレがさっき言った"自分がしたいこと"が頭の中でグルグルしてるはず。

「う、えっと……」

「イヤだ? ならやめるっスよ」

袋小路に追い詰めている自覚、ある。
だって、欲しい。

「う、うううう」

眉間にシワ寄せて悩む姿が可愛らしくて、ついついイジメたくなるんだよなぁ。

「ね、みわ? みわはどーしたい? オレとシたい? シたくない?」

たっぷり数十秒、時計の針の音まで聞こえてくるくらいの静寂を破って口を開いたみわ。

「し、した……い」

期待通りの答えに、頬が緩む。
オレ絶対、今ワルい顔してる。

「ん、オッケー。じゃあむごっ」

同意は得られたはず、なのにキスしようとした口に押し当てられたのは、みわの手のひら。

「まっ、て……!」

「もー、なんスか? 今、2人の気持ちは一緒って確認したけど!」

「待って、待ってよ。涼太としたい、っていうのは本音。でも、涼太に無理して欲しくないっていうのも本音なの!」

……。
あー、そうだった。
これがみわだった。
自分のやりたいコトばっかり押し付けるオレとは、大違いっスわ……。

眉間を親指ですりすりと撫でる。
そんなに寄せるとシワ、残っちゃうっスよ。

「みわ、ありがと。そういう風に言って貰えて、嬉しいっス」

ホッと、強張った顔が緩む。

「涼太、良かった……」

「うん、みわの気持ちは分かったからさ……

ゆっくり、挿れるっスわ」

「……へ!?」

抗議の言葉ごと、愛しい唇を食んだ。



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