第77章 共栄
「りょ、涼太っ! あの、あれ、あれだよ、年末にも会えるんだし!」
アワアワと一所懸命色々考えてオレを止めようとするみわ。
ごめんね。
止まんないんスわ。
時々、こういう気持ちになる。
今。彼女との時間は今しかないんだという感覚。
今手に入れないと、もう手に入らないという焦りのようなもの。
この先もずっと一緒に居たいと思っているのも本当なのに、この焦りがずっとつきまとってくる。
「ごめん、みわ。今のみわを抱きたい」
するり、タイツから手を差し入れて太ももの側面に指を滑らせると、呼応してビクつく身体。
快感を感じて、歪む顔。
「あ、……っ」
困ったようにオレを見つめる瞳は、目薬をさしたみたいに潤んでる。
「ゆっくり、するから。みわの負担にもなんないように、するから」
触れた乳房の先端はもう硬く変化している。
どう触れたらみわが気持ちいいのか、ちゃんと知ってる。
「わ、私の事はいいから……っ、や」
押し返すように触れられた手が、この焦る気持ちを倍増させる。
自分の余裕のない声が、それを更に加速させる。
「みわ、拒まないで、お願い」
「涼、太……?」
不安だった表情が、心配そうなものに変わる。
みわはいつもオレの事を考えてくれてんのに、オレは自分の事ばっかりでごめん。
「ごめん……ワガママばっか言って、ごめん」
再び唇を重ねると、みわの舌がそろりと様子を伺うように、入ってきてくれて……
受け入れてくれるんだって、なんとなく分かった。
「涼太……じゃあ、ひとつ私の我儘きいて」
いつもよりずっと早いタイミングなのには気付いていたけれど止められず、下半身に触れようとした手を掴んで、みわは言った。
「すぐ、挿れて……いつもみたいに、指でしてくれなくて、いいから」