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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第77章 共栄


「オレがさ、食事もロクに取らずにバスケの練習してたらどうする?」

みわは、ギョッと目を見開いて間髪入れずに。

「それはダメだよ! 食事は全部の資本になるんだから、何があってもそこだけは削っちゃいけないところで」

「はいそれ、そのまんまみわに返すっスわ」

「……私とは場合が違うよ……」

うーん、どうして自分だけ別になってしまうのだろう。
世の中には、悪い意味で自分だけが特別と思っているヤツらばっかりだけど、みわにはもう少しだけ、そういう気持ちも欲しい。

「違わないっしょ、なんにも。
みわはヒロインなんだから、自覚持って欲しいんスけどね」

「ヒロイン……?」

あー、そのぽかんと口を開けたカオ、好き。
ぱくんと食べちゃいたいっスわ……。

「うん、オレの人生のヒロイン」

「い、意味が」

困ってアワアワどもるのも好き。
ほっぺたが真っ赤なのも好き。

「人生って、主役が自分のドラマでしょ? みわはそのヒロイン役なんスよ」

そう。人生はオレだけのドラマだ。
だから、やりたい事を、やりたいだけやる。
一緒に居たいと思えるヒトと、生きる。

「ねえ、みわ。オレはね、みわが大切なんスよ。大事なの。みわが泣いてたら悲しくなるし、笑ってたら嬉しくなるんス」

みわは、少し不安げに瞳を揺らして、オレの次の言葉を待っている。

「みわが傷付いてたらツラい。でもそれ以上に、その傷をオレが癒してあげたいって、そう思うんスわ」

さっきの顔。
全てを諦めたような顔。
あんな顔、させたくない。

「だからさ悪いけど、これからもみわにはずっと伝えていくから。オレの気持ち。身体にも、こころにも」

ゆっくりと、唇を合わせる。

「ん……、っ」

戸惑いながらも受け入れてくれる柔らかい果実を、軽く食んだ。

「受け止める覚悟、して」

離さないから。
絶対。


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