• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第77章 共栄


まるで、全力疾走を終えた時のような疲労が全身へ染み渡る。
でも運動した時の爽快感とはまた違う幸福感があって。

手早く処理を終えてから、上下する肩を落ち着かせ息を整えると、目の前にあるつややかな髪をすんすんと嗅いだ。

「ちょっ……涼太、私、汗臭いから」

「んー、全然」

あー……落ち着く。
みわの香り、柔らかい身体。

色々思い出す……短い期間だったけど、一緒に住んでた時の事とか。
あの時も、何回も何回も抱いた。

みわの身体を開発したのはオレだ。
最初は、奥まで突くと少し苦しそうにしていたのに、今ではすぐにイッちゃうし。

どこまでも真面目で冷静なみわ、オレに抱かれてる時は、あんなに余裕がなくて。
涼太涼太って、可愛い声で啼くんスよね。

そんな事を考えて再び熱を持ち始める下半身を笑いながらも、みわをゆっくりと腕の中に抱いた。

何度も、名前を呼び合った。
名前を呼んで、手を繋いで、名前を呼んで、キスをして、触れ合って。

もう、お互いがなくてはならない存在だ。
こうして一緒に過ごすたびに、痛感する。

そのうちにみわは、泣きそうな顔をしてオレの胸に顔をうずめて、「だいすき」と漏らした。

セックス中の事については、何も語らなかった。
それでいいんだと思う。
オレの気持ちも、みわの気持ちもちゃんと伝わったと思うから。



そこからほんの少しだけ、ふたりで眠った。
朝ご飯は旅館側が気を遣ってくれたらしく、時間は過ぎてしまっていたけど、優しそうな女将さんが後から持って来てくれた。

朝から豪華な食事に舌鼓を打ち、チェックアウトまでまだ余裕がある事を確認すると、ふたりでまた露天風呂に入った。

「……あ、雪だよ、涼太」

ちらちらと目の前の景色を気まぐれに隠すように、白い雪が舞い始めていた。

それは、なんとも言えない幻想的な光景で。

すぐにやんでしまったけれど、オレたちを祝福してくれているような、そんな気がした。


/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp