第77章 共栄
「あッ、あぁ!」
なに、が、起きてるの?
だって、涼太が今触れているのは……後ろ、の。
その事実に、目が回りそうになる。
同時に、頭に浮かぶのはあの時の事。
無理矢理挿入されて、裂けて激痛が走ったあの感覚。
中を洗浄しろと、浣腸を大量に手渡された時の惨めな気持ち。
耐えて耐えて耐え続けた日々。
背中がゾワゾワと粟立っていく。
痛いのに、強引に、躊躇いなど無く一気に奥まで突き立てられたアイツの男根。
嘔吐しそうになるのを堪えて、歯を食いしばって。
そのまま出し入れされて、中で射精されて……嫌な事を思い出して、絶望に支配されると……思っていたけれど……
「あっ……」
膣へ埋め込まれた涼太の屹立が、掻き回すように内壁を擦ってくる。
彼の熱が、胸まで熱くする。
同時に肛門も触られて……下半身から全身へと広がっていくのは、絶望感ではなく、じんと痺れるような快感。
「や、うそ、なん、でッ、アァ」
変、変だよ。
なんで? 気持ち……いい、なんて。
「みわ、気持ちいい?」
「……な、なん……っう、ぁ」
……涼太が、触ってるから?
だからこんなに、気持ちいいの?
でも、こんな、こんなので気持ち良くなるなんて、ただの淫乱女だ。
恥ずかしい。
恥ずかしすぎる。
のに……
……身体は、もう頂点まで達しようとしている。
「んあっ、あっ、あ」
「……みわはずっと、頑張ってきたんだから。もう、気持ち良くなっていいんスよ」
だから、どうして……
どうしてそんなに、優しいの。
涼太の先端にグイグイと押されている奥が、熱い。
身体が、熱い。
「やぁ、変、へん、に、なる」
「大丈夫……なって。
オレしか見てないから、イッて」
「あ、あぁ…………」
頂上へ翔け上がる寸前、涼太に背中からギュッと抱き締められた。
伝わってくる腰の痙攣から、彼も同時に果てたと分かって、何故だか涙が止まらなかった。