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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第77章 共栄


あー、なんでだろ。
ホントに、なんでこんなに好きなんだろ。

いつも考えて、でも答えは出ない。
結局、もっともっと好きになって終わる。

みわと出会って、高校3年間丸々一緒に過ごして。
毎日会ってたのに、飽きる事もうんざりする事もなかった。
毎晩、寝る前にはもう会いたくなってた。

今は、あの時よりもずっと距離がある。
もう、離れたくないっスわ……


湯気で湿った髪を撫でると、困ったように顔を上げた。

「あの、髪、パサパサで……恥ずかしい」

「出たっスね、みわの謎の恥ずかしがりポイント」

可愛いのに。
全部、可愛いのに。

こめかみに触れる。
みわはぴくりと、目を細めた。

頬に触れる。
みわは無意識なのか、唇を薄く開けた。

もう一度、キス。
舌は入れず、彼女の唇の形をなぞるように、焦らすように。

「……、っ」

縋るように腕に絡みついてくる腕が可愛くて。
唇を重ねたまま、キツく抱きしめる。

細い細い身体。
オレが、守りたいヒト。
一生一緒に、生きていきたいヒト。

全日本入りで、きっとこれから忙しくなる。
地味に増えてきたモデルの仕事も、ちょっとセーブしなきゃならない。
稼げる内に稼いでおきたいと思ってたのにな……
それに
「涼太」

うっかり思考が深いところまで潜り込んでいく直前に、腕の中のみわが遠慮がちにオレの名を呼んだ。

「あ、ごめん……苦しかったっスか?」

「涼太、悩みごとなら……言って?」

一瞬何のことか分からなかったけど、オレが今考え込んだ間を、不思議に思ったんだろう。

観察力、感じ取る力。
みわの優れた能力のうちの1つだ。

「んーん、なんでもないっス。みわとどうやってキスしようかなって考えてた」

不安そうに顰めていた眉がぴょんと上がり、頬が紅潮する。

みわにはいつも甘えてばっかりだから、たまにはじっくり甘えて欲しい。

今度は、深くまで入り込むキスにする。
みわの肩が震え、腕から力が抜けていくのを感じた。


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