第77章 共栄
「っん……」
みわから漏れるのは、甘い声。
唇を啄むように食んで、気まぐれのようにペロリと舐めて、ゆっくりと重ねて。
じっくり、ゆっくり味わいたい。
みわとキスする時のクセなんだって、最近気付いた。
今まで人生でしてきたキスは、興奮してきたら舌入れときゃいいだろ程度にしか思ってなかったんだけど。
ご機嫌を伺うように、そろりと彼女の口内へ侵入していく。
「ん……んぁ、っ……」
舌で、口ん中の弱い所をくすぐりながらキスしていると、みわから誘ったクセに、彼女に余裕は全くなかった。
太陽の光を浴びたその表情は、すでにトロけそうだ。
腕は、戸惑うようにオレの腕に触れられたまま。
……その姿を見るだけで、頑張って頑張ってここに来たんだろうという事が、容易に想像出来る。
みわなりに、甘えてくれたんスね。
「んッ、ん、ん……」
唇の間から漏れる嬌声に、ぞくぞくと背中が痺れて、どんどん下半身に熱が集まっていくのが分かる。
みわを求めて、彼女の中心とピッタリ合うように、入れるようにと、角度を変えていく。
キラキラ、水面が光ってる。
浴槽が、泉みたいだ。
更に同時に辺りは湯気に包まれて、なんか神聖な儀式みたいで。
目の前にいるのは、サンタさんだと思ってたけど、実は女神サマ。
唇を離すと、2人を繋ぐ透明な糸が、日光を浴びて上質な糸のように煌めいて。
「涼太……ごめんね、いきなり……あの、お風呂の邪魔しちゃって」
恥ずかしそうに遠慮がちに俯くみわを丸ごと抱きしめた。
こんなにぎゅうぎゅうに密着したら、限界まで勃ち上がったモノが圧迫されて痛いんだけど、やめらんない。
別に、セックスしなくたっていい。
触れ合って、気持ちを伝え合って、イチャイチャしたい。
「いいんスよ、甘えて。めちゃくちゃ嬉しくて、可愛すぎて、ちょっと何するかわかんねえスけど」