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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第4章 黒子くん


「黒子っち、神崎っち。わざわざありがと」

玄関で迎えてくれた黄瀬くんは、まだ頰が赤かった。

「うつさないで下さいね」

「う、黒子っち、相変わらず冷たいっス!」

「これ、お見舞いです」

「かえって気を遣わせちゃったっスね」

「じゃ、帰ります」

「ええっ?! はやっ!」

なんか、この2人のやりとり、コントみたいで面白い。

「神崎っちも、ごめんね突然。今日のお礼、言いたくて」

「キミがお礼を言いたいだけなのに、女の子に来て貰うってどうなんですか黄瀬君」

呆れた顔の黒子くん。
辛辣なツッコミだ。

「こちらこそ、体調悪いのにごめんね。すぐ、帰るから」

「とりあえず2人とも、上がって!」

顔だけ出していくつもりが、家に上がるなんて予想外の展開に。
黄瀬くんの部屋に入ると、とてもいい香りがした。
優しくて、甘い香り。

2人は、座るなりバスケの話をし始めた。
内容から察するに、先日あった練習試合のことみたい。

私は、話を聞いてるだけだけど、とても充実した時間だった。
でも……

「ねえ黄瀬くん、ベッドに入って話したらどう? 起きてると良くならないよ」

「ああ……いいっスか?」

黄瀬くんがベッドに移動すると、黒子くんが私に質問してきた。

「神崎さんは、黄瀬君のどこがいいと思いますか?」

それを聞いて、黄瀬くんがブッと吹く。

「ちょ、黒子っち!」

黄瀬くんの、いいところか……私なんかと違って、多すぎて困るんだけど。

「うーん、頑張り屋さんなところ、とか」

「神崎っちまで何言ってんスか……」

「一見派手に見えちゃうかもだけど、真摯にバスケに向き合ってる姿がすごく素敵だよね。頑張りすぎてしまうところは、心配なんだけど……って黄瀬くん、ほっぺた真っ赤……大丈夫?」

「だ、大丈夫っス……」

「なるほど……」

黒子くんが微笑んでうんうん頷く。

「それを聞いて安心しました。神崎さん、黄瀬君のことをよろしくお願いします」

「うん、本当に私、海常ってチームが好きなんだ。これからも応援、したいと思うよ」

「……イマイチ話が噛み合っていない感がしますが」

「あ、私ちょっとお手洗いお借りしていい?」

黒子くんがぼそりと呟いた言葉は、独り言だったのかな?
2人を残して、部屋を出た。
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