第77章 共栄
ふと、目が覚めた。
見慣れぬ景色と、慣れた体温。
どうやら、オレも寝てしまってたようだ。
隣のみわからは、すう、すうと規則的に繰り返される寝息。
睡眠がうまく取れないなんて信じられないくらい、安らかな入眠だった。
安心しきった無防備な寝顔に、ホッとする。
起こさぬようにそっと起き上がり、ベッドサイドにあるデジタル表示に目をやると、午前5時半だった。
部屋は薄暗い。
この時期、日の出までにはまだ時間がかかりそうだ。
朝食も、ギリギリの時間でいいよな。
少しでも長く寝かせてあげたい。
みわの寝顔を見ながら、もう少しウトウトするかな……。
そっと頬に触れる。
しっとりとなめらかな肌。
本人は乾燥しやすいと言ってるけど、そんな事は全く感じさせない。
出逢った時とは違って、ちゃんと手入れするようになったんだろう。
閉じた瞼の奥には、大きくて意志の強い瞳があるのを知っている。
ぽてりとした唇のみずみずしさを知っている。
バスローブから覗く胸の……ダメだ。
悶々としてきた。
性欲はモチロン健在なんだけど、今はなんていうか、もっと……この子を大切にしてあげたいって気持ちのが強くて。
でも19歳の身体は素直で。
……風呂、入ってこよっかな。
気分転換にザバッと。
……みわ、オレがいなくてヤな夢見ないかな。
みわを観察して、眠りがだいぶ深そうな事を確認する。
時刻は午前6時。
いつの間にか、眠気もほとんどない。
軽く汗でも流してこよ。
寝起きのせいで、うん、そうそう、寝起きのせいでカタチを変えた自分のソレをピンと指で弾いて、風呂場へ向かった。
昨夜は真っ暗だったけど、もう外はだいぶ明るい。
ぐっと冷え込んでいて、浴槽まで身体をブルブル震わせながら小走りで向かった。
「……はー……」
いやー、露天風呂、最高っスわ……。
後で、みわともっかい入りたい。
ここ、チェックアウトはだいぶ遅かったハズ。
嫌がられるかな。
みわは、恥ずかしいって言うから、この明るさじゃ……厳しい?
そんな事をウダウダ考えていると、空がオレンジがかってきた。
日の出だ。