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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第77章 共栄


みわは、オレの腕の中で小さくなってしまっている。

みわと、ずっと一緒に居たい。
同じ時を生きていきたい。

オレはずっとそう思ってるけど、今はまだ、みわは自信がないのかもしれないな。
彼女の人生、あまりに色々な事がありすぎた。

……そして、思い出せなくなっている"空白の記憶"もある。

でもオレは、もうみわしか考えられない。
みわに、どんな過去があっても関係ない。オレが惚れたのは、丸ごとみわだから。

「みわ……ゆっくり、ゆっくりいこ。
これまでより、これからの人生の方が長いんだからさ」

こくん、小さく頷く気配。

「ごめんね。ありがとう、涼太……」

微かに震えている声を聞き、抱き締めている腕に力を込めた。


しっぽり、そんな表現がピッタリのまったりした時間。
幸せすぎる……。

「はあ、ホントにいい湯っスわ……いくらでも入ってられる」

「わ、私、逆上せそう」

おや、と思い顔色を確かめようとしても、この薄暗い中では分かりそうにない。

露天風呂エッチ……の下心がなかったとは言わないけど。

それにしても、まとめ髪をした時のこのうなじ……色っぽくてめちゃくちゃそそられる。

ぺろり、イタズラのように舌を走らせた。

「っあ……ん」

「ん、いい反応」

「ちょっ、りょう……た、ぁ」

オレが触れた途端に甘くなる声に、気分が高揚していく。

みわは驚いた様子だけれども、抵抗の意思は見られない。

今日は、意図的に散々焦らした。
オレが欲しくなるようにって。

そんなズルい事ばっか考えているオレとは、正反対だ。

みわは、いっつも正直で、真っ直ぐで。

でも、その真っ直ぐさが怖くなる時がある。
自分を犠牲にして、他者を助けたりするのはもう……やめて欲しい。

どれだけの犠牲が出ようとも、みわだけは助かって欲しい。

そう考えてしまうのは、ワガママなんだろうか?

「りょー……めが、まわ、る」

「ちょ!?」

ぐったりと力が抜けていく身体を、慌てて部屋まで運んだ。


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