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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第77章 共栄


……へ?

全日本?

って……

日本代表って、こと?

「だからさ、オレ……」

「おめでとう!」

「……へ」

涼太は、何故か鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしている。

「涼太、凄い! おめでとう!」

凄い、凄い!
嬉しい!!
まさか、こんな報告が聞けるなんて!
最高のクリスマスプレゼントだよ!

涼太の両手を握って、ぶんぶんと上下させる。
勢い余って、肩が抜けそうになった。

「後は? 後のメンバーで知っているひとはいるの?」

「いや……まだ一応、非公開情報っスから」

「あ、そっか……」

青峰さんや火神さんはどうなったんだろう。
あの2人も選ばれたのかな。
早く公開出来る情報になれば、さつきちゃんとも話が出来るのに。

「これからはどうなるの? 結構スケジュールも忙しくなるよね、インカレもあるんだし」

「うん、だからさ……」

涼太は、ずっと元気がない。
こんなに素敵な話なのに、どうしたんだろう?

「……多分、殆ど会う時間、なくなるんスわ。それに、全日本メンバーでCM放映も予定されてるみたいでさ……ファンとかが、うるさくなるかも」

「……うん」

そっか……涼太が今日変だった理由が、分かった。

私と、離れ離れになるからだ。
日本代表となれば、練習を始め強化合宿、更には海外遠征までつきもので。

それに加えてインカレ制覇を目指すというんだから、並大抵の事ではないだろう。

でも、そんなのは些細なこと。
涼太が、こんなにも早く世界への舞台へ。

ううん、早くなんかない。
タイミングにしてみたら、遅すぎると言ってもいいくらいだ。

嬉しい。
黄瀬涼太が認められた事が、何よりも、こんなにも嬉しい。

そのステージへ一緒に立つ事が出来ないのは悔しいけれど、涼太の新しい一歩だ。

「涼太、おめでとう……」

感激して、感動して、驚いて、一体どの精神状態のせいか分からないけれど、涙が止まらなかった。




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