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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第77章 共栄


「みわ、そこ座って。クリスマスプレゼントがあるんスよ」

その発言に、驚きで一瞬言葉を失った。
プレゼント!?

「も、もう十分頂いてます! これ以上プレゼントなんて貰えないよ!」

「そう言わないでさ、間に合ったんスよ、ギリギリで」

そう言って彼が出したのは、行きに寄ったジュエリーショップの紙袋。

「これ……」

「そそ。本当はもっと前に入荷する予定だったのにさ、向こうのミスで今日になっちゃって。遠回りになってゴメンね」

そっか、これを受け取るためだったんだ。
店員さんの謝罪の理由も分かった。

全部、私のために。

もう、何から何まで申し訳なくて、涼太に促されるまま、和製座椅子に腰掛けた。

「あの、涼太……誕生日に貰ったこのネックレスも、高価な物だと知らなくて、ごめんなさい。本当に、私なんかにお金を使わないで」

涼太は聞こえているのかいないのか、紙袋の中身を覗きながら説明を始めてしまった。

「これ、みわ気に入ってくれるといいんスけど」


……涼太、なんか……変。

いつも、こんなに自分勝手に物事を進めるようなひとじゃない。

何か、焦ってる……?

「……開けて、いいの?」

「モチロン」

彼の意図が分からなくて、何か手がかりはないものかと考えながら、紙袋を開ける。

中には手のひらサイズの四角い箱が2つ、入っていた。

「片方はオレのなんスよね」

箱を並べて、開けると……そこに並んだのは、腕時計。

「綺麗……」

ステンレス製のバンドがついた腕時計には、ネイビーの文字板がついていて……

「これ、星?」

「そ。これね、"星空"をイメージしたペアモデルなんスよ」

文字板に少し大きめのローマ数字が配置されていて、秒針の尾には黄色い月が付いている。

中央にはキラキラとラメが施されていて、更に、丁度ローマ数字で表された、かつて彼が背負った背番号と同じ、「7」……「Ⅶ」の所にキラキラした石が嵌っている。

その石を取り囲むように、小さな星模様が散りばめられていて、本当に星空みたい。

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